「中嶋、本気でダイエットする気なんだろ?」
真喜子は突然の智哉の問いかけに驚きつつも、「うん」とうなずく。
智哉は、もうあたしのことは完全に無視だ。
「ただ中嶋、ちゃんと健康的にやせるようにしろよ?
カロリー計算とか、したことあるか?」
「ううん、ない……」
「そういうの、ちゃんとしないとダメだ。
うちに、おふくろが使ってた本があるから、貸そうか?」
「え……、でもそれは悪いよ。
蔵田君のお母さんだって、まだ使うかもしれないし」
「いや、おふくろが使うことは、もうないからそれは平気。
なんなら、今から取りに来いよ?
善は急げって言うし」
「えっ、今から?」
真喜子が戸惑っている間に、智哉はポンポン話を決めてしまう。


