あたしがそう言うと、智哉はしぶしぶ「わかった」と了承してくれた。


やった!


ニコニコしながら、店を出る。


お互いに自分の自転車にまたがると、智哉はちょっと照れくさそうにあたしを見た。


「今日は助かった、サンキュな」


あれ? 珍しく素直じゃん。


“かけ”に勝って命令を聞かせたんだから、手伝って当然、と思ってると思ってた。


助かった、なんて言われるとは思ってなかったから、ちょっといい気分。


「うん! 遼子さんによろしくね」


笑顔でそう答えると、智哉もうっすらと笑顔を返してくれた。