「またいつでも遊びにおいでねー」
手を振る遼子さんに別れを告げて、自転車で駅へ戻る。
ドラッグストアに着くと、あたしは化粧品売り場に智哉を連れて行き、除光液を探してあげた。
「はい。これが除光液」
振り向いて渡そうとすると、真後ろに智哉がいて、ぶつかりそうになった。
うわっ!
「ん? あぁ、サンキュ」
智哉は、あたしのそんな様子には気付かず、商品棚に並ぶ色とりどりのマニキュアの瓶を見てる。
手では除光液を受け取りながら、視線はそっちに向けたまま、「いろんな色があるんだな」なんてつぶやいている。
智哉、ち、近いよ……。


