廊下にあった段ボール箱も全部きれいさっぱり片付いたのは、夕方4時過ぎだった。
「あー、終わったぁ!」
あのあと、すぐに戻ってきた遼子さんが、晴れ晴れとした表情でバンザイすると、
あきれ顔の智哉がすかさず突っ込んだ。
「ったく、引っ越してきて2週間も、よくあれで暮らせてたよな」
「必要最低限のものだけで生活してたからねー」
ペロッと舌を出して言う遼子さんは、年上だけど、すごくかわいらしい。
「綾華ちゃん、ありがとね」
「いえ、こちらこそ、ワンピ、ありがとうございました」
「ううん、全然!
あ、智哉、綾華ちゃん送ってくんでしょ?
ついでに駅前のドラッグストアで除光液買ってきてくんない?」
「え、ジョコウエキ?」


