黒縁メガネ男子に恋してる


ドライバーなんて、そう何度も使ったことないけど、思いのほかうまくいった。


「へぇ、うまいもんじゃん」


智哉にもほめられ、いい気分でネジをしめていく。


「できたっ!」


「よしっ、オーケー!
じゃぁ、あっちに運ぶから、そっち持って」


「うんっ」


遼子さんの部屋に、ふたりでできあがった本棚を運び込む。


でも、部屋に、遼子さんの姿はなかった。


「あれ、遼子さん、どこ行ったんだろ?」


「アイツ、またサボってんな。ったく!」


智哉、口ではそう言ってるけど、そんなに怒ってないくせに。