「いや。おふくろの見よう見まね。 栄養バランスとかカロリ-とかも、料理手伝いながら、おふくろから聞いて、自然に覚えただけ」 「へぇ、そうなんだ」 感心してると、遼子さんが、ウンウンとうなずきながら付けたした。 「お姉ちゃんは、看護師の資格持ってるしねー。 そういうこと、ちゃんと考えて作ってそう」 あぁ、なるほど。 看護師さんなら、そういうこと詳しそう。 「今日は、お母さんは、お仕事?」 話の流れで、智哉にそう聞いてみる。 すると、一瞬、手を止めた智哉は、あたしをまっすぐに見て答えた。