いや、似合わないよりは似合うって思われた方がいいって、ただそれだけよ、うん。
べつにあたしは智哉のことなんて……。
「綾華ちゃん!」
「え? あっ、はい!」
ボンヤリしてたあたしは、ドキッとしながら遼子さんの方に顏を向けた。
「そこのハサミ取ってくれる?」
「あぁ、はいっ、どうぞ!」
「ありがと。
あ、もうそっち終わりそうだね。
じゃ、次はこっちの小物やってもらおうかな」
「はい!
あっ、このCD、うちの姉も持ってます。
遼子さん、このグループ好きなんですか?」
「うん、大好きなのー!
実は、先月ライブに行ってきてねー、ドームだったんだけどさぁ……」
そのあとも、あたしと遼子さんは、仲良くおしゃべりしながら、荷物整理を続けた。


