智哉がいなくなって、あたしもホッと緊張を解く。 すぐにワンピを着替え、作業を再開した。 それにしても。 智哉、あんな顔することもあるんだ……。 黒縁メガネの向こうの頬を少しピンクに染めて、びっくりしたように目を見開いて。 ふだんのクールな表情とも、からかってくるときのイジワルな顏とも違ってた。 あんな顏見せられたら、こっちまで意識しちゃうじゃん。 ……智哉、あたしのこの花柄ワンピ姿見て、可愛いって思ったかな? そうだったら、うれしいんだけど。 ……って、あたし、なに考えてんの!?