ななめ向かいの雑貨屋さんの前に、ひびきたちギャルグループと真喜子の姿がある。


「あ、真喜子たちじゃん」


あたしは声をかけようとしたんだけど。


「綾華、ちょっと待って」


菜々美に袖を引かれた。


「え?」


菜々美は、あたしを物影にひっぱりこむと、真剣な表情で、真喜子たちを観察している。


どうしたんだろ?


菜々美のただならぬ様子に、あたしも黙って真喜子たちをうかがい見た。


でも、真喜子たちはなにも買わずに、すぐに歩いていってしまった。