どうしよう。
“かけ”のことは、まだ菜々美に話していない。
べつに、隠さなきゃならないことじゃないんだけど、なんとなく言い出しにくくて。
まだ、なにをさせられるのかわからないっていうのもあるし……。
だけど、“かけ”のことを言わないと、あたしが今日一日、智哉の方を気にしてた理由の説明ができない。
うー、困ったな……。
あたしが口ごもっていると。
――キーンコーンカーンコーン。
タイミングよくチャイムの音。
そして、担任の先生が教室に入ってきた。
菜々美は、ふに落ちない表情をしつつも、前を向いた。


