「よし。じゃ、今夜な」 そう言って、智哉は自転車にまたがった。 「え? 今夜って?」 なんのこと? あわてて聞き返すと。 「メールするって言っただろ? “かけ”の内容。 忘れてんじゃねーよ!」 「あっ……」 そうだったっけ。 智哉は、唇の端を引き上げ、ニヤリと笑う。 「雄太のことなんかより、そっちの心配してろ。 じゃぁな!」