それを見ていた智哉が、話をまとめるように聞く。
「つまり、こういうことですか?
徳井さんはだまされてお金を取られたけど、そのことが息子さんにばれると叱られるから、警察には届けたくない、
でも、矢崎さんは、犯人を見つけたいと思ってる、
そういうことですか?」
矢崎さんは、大きくうなずいた。
「こんな近くに犯人がいるなら、お金だけでも取り返したいじゃない?」
なるほど、そういうことね。
矢崎さんの気持ち、すごくよくわかる。
あたしが矢崎さんの立場でも、きっと、同じことをしたと思うもの。
「そういうことなら、あたし、協力します!」
あたしは一歩前に出て、そう宣言した。
すると。


