黒縁メガネ男子に恋してる


「あっ、ちょっと待って!」


えっ?


――キキーッ!


呼びとめられて、自転車を止める。


「あぁ、やっぱりそうだ。
あんたら、今朝会った子たちよね?」


見ると、オリエンテーリングでお世話になった、キツネ顔のおばあさんだ。


隣に、丸顔のおばあさんもいる。


「あ、さっきはどうも」


菜々美にも、智哉がおばあさんたちに聞いてズルしたことは、教えてある。


3人で会釈すると、キツネ顔のおばあさんは、せわしなく手招きする。


「ちょっと、あんたらに、聞きたいことがあるのよー。
こっち来て。こっちこっち!」