黒縁メガネ男子に恋してる


――ドキン。


ヤバい。


あたし、なに智哉のことなんか意識してるんだろ。


高鳴りそうになる胸をしずめるように、クールな智哉の顔から、視線をそらす。


「ん? どうかしたか?」


「ううん、べつに。
じゃ、菜々美、しっかり捕まっててね!」


「うん!」


あたしは、智哉の顔を見ないように、まっすぐ前を向いて、校門を出た。




駅は、森林公園の東側にある。


あたしたちが、公園沿いの道を走っていくと……。