――ドキン。 ヤバい。 あたし、なに智哉のことなんか意識してるんだろ。 高鳴りそうになる胸をしずめるように、クールな智哉の顔から、視線をそらす。 「ん? どうかしたか?」 「ううん、べつに。 じゃ、菜々美、しっかり捕まっててね!」 「うん!」 あたしは、智哉の顔を見ないように、まっすぐ前を向いて、校門を出た。 駅は、森林公園の東側にある。 あたしたちが、公園沿いの道を走っていくと……。