「綾華、菜々美を乗せてくのか?」 「うん、駅までね。菜々美、ねんざしてるから」 「あぁ。だったら、俺が代わろうか?」 「ううん、菜々美、軽いし、平気!」 「じゃ、カバン持つよ」 そう言って、智哉は、あたしの自転車のカゴからカバンを取って、自分のに乗せる。 「ありがと」 あたしがお礼を言っても、智哉は、あたりまえって顏。 智哉、優しいとこもあるんだよね。 オリエンテーリングの最後に、手を引いて走ってくれたし……。