その日の帰り、あたしは自転車の後ろに、ねんざした菜々美を乗せて、駅まで送っていくことにした。 あたしは自転車通学だけど、菜々美は電車通学。 高校から駅までは、歩いて7分ってとこだけど、いくらテーピングしてても、歩くのはつらいよね。 「ごめんね、重いでしょ」 「全然そんなことないよー」 何度も謝る菜々美は、やっぱりいい子! あたしたちが自転車置き場から出ようとしていると、智哉がやってきた。 へぇ、智哉も自転車通学だったんだ。 見てると、智哉もあたしたちに気づいた。