「…これで全部」 やっと全部案内した。 「ありがとな」 「いえいえ」 「でも、いっぺんに案内してくれなくてもよかったのに」 「えっ?」 「そしたらもっと雫ちゃんといられたのに…」 残念そうに言う晴太くん。 「そっそう…それじゃああたしは帰るから」 あたしは逃げるようにその場から去っていった。