「紗彩。来たよ」
「おはよう、奈々」
「綾香まだ? 」
「まだみたい」

いつも遅刻ギリギリの綾香に
早く来いだなんて
無茶だったかな…


「ごめんごめん。遅れたっ」
「来てくれたんだ…」
「? 当たり前じゃない」

「あの…話なんだけど…」
「うん」


「あたし、2人に嘘ついた。

バレバレだっただろうけど、
心配かけてるの分かってたけど、
困らせてるの分かってたけど、
自分を守るためについた。

だけど今すごく後悔してる。

今だからって
話せるわけではないんだ。

だけど、悲しいなら悲しいって
困ってるなら困ってるって
ちゃんと言えば良かった…って。

ほんとにごめん」


「…うちはさ」

「紗彩の言うとおり、
すべて話して欲しかったんじゃない。
もし辛いなら
うちらがいるよって
分かって欲しかったんだ」

「うん」