「あー、お腹空いちゃったね。もうお昼の時間だよ」

校舎のほうが騒がしくなったところを見ると、悪魔の魔術も解けたらしい。

「この流れ、飽きたぜ」

呆れる哲平の肩を、健介が叩いた。

「あはは。でもせっかくだから、今日は五人で昼飯にしようよ」

「俺はいい・・・」

そう言う陸の背中を、悠月が軽快に押す。

「だーめ、もうみんなで食べるの決定なのー」

「わ、わかったよ」

「柿崎、さすがのお前も姫には弱いんだな」

苦笑する健介。

「私、家からそのまま来たのでお弁当持ってないんですよね。購買に寄ってから行きます」

「あ、あたしも行くー。
春風ちゃんミルクたこ焼き食べよう!」

「いいですね」

春風がにっこりする。

「みんなもがんばった記念に、ふたつずつ買ってあげるねー。おごりー」

男子三人は顔を見合わせて冷や汗。

「俺はそんなに食えねえぞ!」

先に駆け出した悠月と春風を、哲平、健介、陸は必死で追った。



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