聖石戦隊 キラレンジャー

「だから俺は立ち止まらないでいられた。こうやって悪魔退治ができてるんだ。でも」

悠月は陸の腰に抱きついた。
拍子に、キラアームが転がり出る。

「仲間を失う苦しみはもうたくさんだ!」

「やっぱり、ほんとは優しい人だった」

おっとり微笑む。

「だからひとりでいたんだね。
でもちゃんと、あたしたちが戦うのを守ってくれてた」

陸がこっちを見る。
一瞬目を合わせてから、視線が下がったのが分かった。そしてまた正面に向かう。

「佐々木、蒼井、立花! 聞こえてるんだろ!」

「え? あ、キラアーム・・・」

悠月も下を見ると、キラアームが反応していた。

「あんたたちは、チームワークで戦うんじゃなかったのか!」

哲平は屋上でキラアームを握りしめている。

「そうやってくじけてる間に、また誰か大切な人を失っていいのかよ!」

健介ははっとした。

この声は、柿崎?

でも・・・いま僕が行ったところで、何ができる? また見ていることしかできないんじゃ・・・

「引きこもっても、その先には何もない!」

「和やかなムードになっていただくのは勝手ですが」

インキュバスの第ニ撃。

バリア、これまでのでぎりぎりだったんだ!

容赦ない追撃。絶大な圧力がのしかかってくる。
悠月も分かるほど、明らかに陸の両腕は限界だった。