聖石戦隊 キラレンジャー

相変わらず風と闇は衝突しており、辺りはすごい暴風だった。

風圧に逆らい、ブラックナイトの顔を覗き込む。

「・・・柿崎くん!」

「くそっ」

ブラックナイトは、陸は、ぎりっと歯をくいしばる。

思い出した。

陸との最初の出会い。

匠! 匠っ!

まだ高校に入学したばかりだった。

帰り道、偶然出会った。

中里大付属高校の制服を着た、進藤匠くん。中学からの陸の親友。

彼が、悪魔に命を奪われたあと、偶然通りかかった。

「俺はキラレンジャーとして覚醒し悪魔を倒したけど、どうしても匠を失った悲しみからそこを動けないでいた。そこに東が」

落ち着いて、匠くんにちゃんとお別れしよう。

「きちんと現実を受け入れるよう諭して」

あたしが、きっとあなたを助けてあげるからね。

・・・? 匠じゃなく、俺を?

だって、柿崎くん、とっても辛そうだよ。

「優しく頭を撫でてくれた」

辛いよ。匠を助けてくれ・・・お願いだ。

柿崎くんがそんな悲しい顔ばっかりしてたら、匠くんだって辛いと思うよー。
今は何も考えないで泣いて、明日から元気に生きていこうね。