聖石戦隊 キラレンジャー

何を話そうか考えていると、春風は立ち上がり、ドアを閉めた。
ゆっくりこちらに近付いてきて正面で立ち止まる。

しばらく下を向いていたが、やがて見つめられると、一瞬空けて、胸に飛びついてきた。

突然の行動に混乱するが、つい春風から漂う甘い香りに流される。

再び上目遣いにされる。

おおお、眼鏡を外すと美少女はお約束だー。

さらにこの展開は・・・。

「私、ずっと佐々木くんのことが・・・」

きたー!

ガタッ

外で物音が。これもお約束か。

そっと近寄って、勢いよくドアを開ける。悠月と健介が転がり出た。

「お前らそこでなにしてんだ」

「いやほら、これ、社会見学!」

健介が頭をぽりぽりかく。

悠月は春風のところへ行くと、顔を覗き込んだ。

「今日の春風ちゃん、なんかおかしい」


それもそのはず。

「貴様の片割れが、いまにキラレッドのパワーストーンを奪ってくる!」

因縁の工場跡、フルーレティは春風を捕らえていた。

「日向子ちゃんを洗脳してみんなを騙すなんて、許せません!」