聖石戦隊 キラレンジャー

「哲平が毎回テストあと姫と昼飯食うの、こうやって傷を舐めあってるのか」

健介はほのぼの笑う。他人事だと思いやがって。

「お前はいいよな。俺なんかこのままじゃ進級も危ういぜ」

「いや、確かに校内では10位以内だけど、僕も全国レベルじゃまだまだだよ。親の跡継いで司法書士になれって言われてるからさ」

悠月がくいっと首を傾ける。

「しほーしょし?」

「お前には一生縁のない仕事だ」

「難しいお仕事なんだねー。そだ」

宙に電球でも浮かべるように人差し指を立てた。

「せっかくだから、みんなで勉強できるように教えてもらおうよ。
ね、春風ちゃーん」

1組の双子の姉、日向子と話しているのに構わずさらってくる。

「春風ちゃんに教えてもらえれば、みんなハッピーだよ。先生になってー」

「え、おふたりにですか? 構いませんけど・・・」

立花春風-たちばな はるか-。

常に学年一位の常連様。
悠月の偽100点とは違って、いつも満点をとっていることで有名だ。

眼鏡と耳下のツインテールがいかにも優等生らしい。

おとなしい春風と、おてんばな日向子。双子でも性格は正反対。

1年の時に悠月は春風と同じクラスだったので、今でも呼び止めて井戸端会議に付き合わせたり、テスト前は勉強を習ったりしているようだ。

「わーい、ありがとう!
みんな、さっそく今日放課後は1組集合ね」