ストローを咥えると、隣の健介が顔を覗き込んできた。

「哲平と姫は付き合ってるの?」

うっかりコーラが喉の変なところに入りそうだ。

「なんだそれ、いきなり・・・。そんなんじゃねえよ、ただの幼馴染だ」

「そうだね、ずっと友達だねー」

悠月はスプーンを離さず答えた。

ふーんといった表情の健介にそっと耳打ちする。

「俺はもっとこう、ある方がいいな」

「ああ・・・それは分かる気がする」

ケラケラ笑う。

「なにが?」

そんなふたりに悠月が首をかしげた。

「お前はまだ子供だってことだよ」

「えー、もうバスも大人料金だよ」

「それは中学生からだろうが。全然関係ねえ」

健介が割って入る。

「まあまあ。好みは人それぞれだからさ。哲平はちょっとスケベなだけだ」

頭をぽかり。

悠月はいまいち理解していないようだ。

「大変だ、悪魔が出たぞ!」

外を見ると、雑魚が暴れまわっている。