悠月も陸も、何も言わなかった。
でもそれは俺の行動に従ったわけではなく、正しいのか判断できなくて何も言えなかったんだと思う。

体から出したあとも近くにいればその効力は届くのか、変身が解けることはなかった。

「いかにも神どもらしい禍々しい輝きよのう」

その眩しさか、または光に癒し効果があるのか定かではなかったが、健介と春風は目を覚ました。

ただ目を覚ましただけだ、春風は苦い表情で見つめるだけだった。
健介は起き上がれないまま声をしぼり出す。

「哲平、いけない・・・」

「なに言ってるんだ」

苦し紛れに笑って見せた。

「お前たち仲間が生きていれば、必ず他の方法が見つかる。
例えパワーストーンがなくても・・・」

一度ぎゅっとパワーストーンを掴んでから、サタンに投げつけるようにした。

サタンは指一本動かさず、目の前でそれを止めた。ゆっくり胸の前に浮かぶ。

次にくっと力むようにすると、彼らの集めたパワーストーンが登場した。
哲平のそれも混ざり8つ目になる。

サタンは満足げにしていたが、突然、ルシファーが大声で笑い出す。

「この期に及んでそんな危険分子を残すかよ、ばーか」

大きく手を振り上げ、一瞬で強力な闇を作り出すと哲平に向かって撃った。