「安心するが良い。まだ命もパワーストーンも奪ってはおらぬ」

「ほんとはさっくり殺してやってもよかったんだけどさ」

ルシファーの神経を逆撫でする発言に健介が飛び出す。

「お前らは人の命をなんだと思ってるんだ!」

「健介くん!」

「やめろ健介!」

悠月が呼ぶのも、陸が止めるのも間に合わない。

ルシファーは高らかに笑ったかと思うと、一瞬で消え、剣を突き付ける健介の背後に現れた。

そのまま後頭部を叩きつける。倒れた健介に手をかざすと、闇に囲われてしまう。

まるで見せしめのように無惨に足元に転がした。

「人間のヒーローもこんなもんなの? つまんねー」

ルシファーは嘲笑う。

「そう言うな。必死になって可愛いではないか」

サタンも高みの見物。

傷付き、意識を失っている健介、春風。

残された哲平、悠月、陸は慄然としていた。

これまでの悪魔とは段違いだ。
これが、悪魔の王。
チームワークでどうにかなるものにも思えない。このままじゃ確実に・・・

殺される!



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