「キラレンジャーは俺がリーダーだぞ・・・」

「哲平、陸にライバル視しすぎじゃないか」

「陸くんかっこいいもんねー」

ほのぼの話すガヤ四人に、北山が近付いてきた。

「ちょっと失礼」

と、春風の眼鏡をとる。

「眼鏡を外すと美少女、王道の展開か。うん。ヒロインになってくれないか」

春風は口から心臓が飛び出そうだ。

「わ、私がお芝居なんて・・・」

「あなたの知的な美しさは台本を書き換える価値が十分ある」

「そうだな。恋仲だが素直になれない科学者とか・・・うん、だんだん浮かんできたぞ」

相槌を打った彼はどうやら脚本担当のようだ。

春風もその熱意に動かされる。

「わ、わかりました・・・努力します」

「あたしも出たいなー」

悠月がぼんやり春風を眺めて言った。

哲平はギョッと、彼女のスカートを掴んで、やめとけ、口の形を作る。

北山は顎に手を当てて考えていたが

「うーん、すまない。他のキャストは外すわけにいかないんだ」

「じゃあお手伝いさんするからー、一緒に撮影いく、ねえ、哲平くん健介くん?」

「なんで俺も巻き込むんだよ」

お決まりパターンじゃないかと健介は笑う。

「それなら、まあ人手は多いほうが助かるね。じゃあお願いするよ」