聖石戦隊 キラレンジャー

「グリーンゴッドハリケーン」

風が渦巻き、雑魚たちを浄化する。

あちこちから沸き起こる歓声。
キラレンジャーはもう校内で知らない人はいないほど有名になっていた。

もちろん街中でも話題は広まっているはずだ。

五人は照れながら生徒玄関前に集まる。

「しかし、こう頻繁じゃいい加減にしろって思うな」

「そうだねー。落ち着いておやつも食べてられないね」

「姫はいつも食ってるじゃないか・・・」

「でも週に何度も現れてもらっては、お勉強に響きます」

ふと背後から拍手が聞こえる。

「いやあ、さすが本物の正義の味方はすごいね。
見せてもらったよキラレンジャー」

高城台高校とは違う制服を着た、同い年くらいの男子三人。

「俺たち、吉倉芸術高校の映画制作部なんだ」

「部長で、監督や演出を主に担当している北山です。
キラレンジャーの噂を聞いて見に来たんだけど、ぜひ君に主役を頼まれてほしい」

北山が手を伸ばしたのは、陸だった。

「無理だ、演技なんてできない」

陸はあっさり拒否する。

「今回撮るのは元々アクションシーンが多めだし、台本を見てもらってだめならもっと台詞を削るよ。撮影も一ヶ月くらいで終わらせようと思っている」

北山は陸の目の前まで来て、両手を握って懸命に説得している。

結果、どうやら勢いに圧倒され、そのまま押し切られたようだ。

スクリーンデビュー、しかも吉倉芸術高校映画制作部。ちょっと本格的だ。