隣のオアシス



 悲鳴をあげることもできないほどの痛みに目を覚ました。身体が揺れるたびに、歯をくいしばり痛みに耐えた。

 俺が身じろぎをしたことで気づいたのだろう。俺を背負いゆっくりと歩くガイが、少しだけ視線を背後にやると言った。

「お、起きたか」

 すぐに前を向いてしまったガイの表情はよく見えなかったが、一瞬だけ映ったガイの目が、いつもより少し怒っているように見えた。

 声のトーンも、若干低く暗い。

「だから夜中に忍び込むのはよせって言っただろう」

 ガイが歩きながら言う。やはり声に棘が含まれている。

 よく見れば、簡単にではあるが手当が施されてあった。ガイの着ていた服だろうか。見覚えのあるシャツが、俺の肩を中心にぐるぐると巻きつき止血されている。そこでようやく、俺が撃たれた場所は肩なのだとわかった。

 少し意識を失ったせいか、それともガイの手当てのおかげか、気を失う前より随分と呼吸がしやすい。痛みはまだ引く気配はないが、喋ることもたぶんできるくらいには回復したのだろう。