喉が渇けば水が欲しくなる。腹が減れば飯を食いたくなる。なら、荒れた大地に住んでいる俺は、いったい何が欲しいというのだろう。水だろうか。それとも盗られても困らないほどの食糧だろうか。いや、犯罪のない平和な日常だと答える者もいるだろう。けど、俺はそんなものよりも、ずっと欲しいものがある。


 ――違う。

 欲しいのではない。『必要』なんだ。