私にとってはそれよりも

何で結婚したの?

なんて聞けなくて


何で私に会いに来たの?

なんて特に聞けなかった

結婚したとしても会えることが嬉しかった


「長く会ってなかったね」

気まずそうな雰囲気を出しながらも聞く


「だって真矢、忙しかったでしょ?
 晃さんバタバタしてたし」

余裕な感じで返される
なんとなく、不服だ


私の顔をじっと見つめ

全てを見透かされたようにキスをしてきた

触れるだけの儚いだけのキス

でも嬉しくて


「何も聞かないんだね」

ふふっと微笑みながら私を見る