「部屋行こうか?」

「えっ、」

部屋に行く意味はわかる
何で私なんかにそんなこと…

「…はい」

悠哉さんの優しさはわかっている
可哀想な子を助けてあげようぐらいのものなんだと思う

でも、それでも良い


「真矢ちゃん、良い?」

部屋に行きシャワーを浴びると聞かれた言葉

わざわざ聞いてくれる優しさは今はちょっと辛い


静かに頷くとベッドに倒された



最初の優しいキスは何年たったとしても忘れられないだろう


「真矢」

いつもは呼び捨てなんかしないのに苦しそうに呼ばれる

私が好きなんじゃないかと勘違いしそうになった


呼ばれるたびに悠哉さんの背中に回した手を強く握る


苦しくて、嬉しくて

愛しすぎて

抱かれながら涙が溢れてきそうになる


「悠哉さん、好きです…」