そんなある日、夕暮れの神社で貴方は 「赤紙がきた」 赤紙? そう、その頃は戦争の足音がこの国中に響き渡っていた。 「生きて帰れるとは思わないでほしい。君を守る為なら僕は喜んで」 「嫌!お国も大切です。でも…うちの幸せ願うてくれはるんやったら生きて帰ってきとくれやす」 「……」 「お願いどす」 私は唇をきつく噛みしめながら貴方を見送った。