橋の途中で
「薫子」
「うん?」
駆一郎が急に立ち止まり私の左手首を掴んで
「ハッピーバースデーとハッピーウェディング」
薬指に指輪を
そして手のひらにピアスを
「綺麗な緑。駆一郎…」
「結婚指輪と誕生日プレゼント。8月の誕生石はペリドットだそうだ」
ペリドット!
勿論自分の誕生石は知っていたし写真を見たことはあるけど本物は初めて。
耳にしていたピアスを外し付け替える。
「似合う?」
「あぁ。似合ってる」
そしてもう一つ指輪を私の手のひらに
「俺にもはめて。一応結婚したんだし」
「あ、そ、そうだね」
駆一郎の薬指にはめて
「うん。これで夫婦だな。あ、薫子悪かったな。勝手に選んで」
「ううん。嬉しいよ。プレゼントはサプライズの方が」
「そっか」
駆一郎が照れてる。
「じゃあ行こう」
「うん」
駆一郎が私の手を確りと握って歩き出した。



