「薫子ちゃん」
乃亜ちゃんと棗ちゃんが
「はい」
ブーケを渡してくれた。
「乃亜ちゃん、棗ちゃん」
鉢植えを駆一郎に渡してブーケを受け取る。
「これはね、帰って来れなかった結衣ちゃん達からのプレゼント」
「えっ?結衣ちゃん達から」
「うん。『芙蓉』と共にね『アンスリュ ーム』も8月25日の誕生日花なんだって 」
アンスリューム
まるで作り物のような光沢のある不思議な花
それを入れた素敵なブーケ
「ありがとう」
また泣いちゃいそうだよ。
「フフフ…」
いきなり棗ちゃんが笑い出した。
「何よ棗ちゃん」
「薫子ちゃんの泣き顔って久しぶりに見た」
「あ~確かに」
乃亜ちゃんまで笑い出す。
もぅ、何よ。この二人は。
「薫子ちゃん『芙蓉』の花言葉は『繊細な美』薫子ちゃんにピッタリだね」
乃亜ちゃん。
「『アンスリューム』は『恋に悶える心 』だって。薫子ちゃん当たっる?」
悪戯っぽく棗ちゃんが
「もう!知らないわよ」
「ハハハ…「フフフ…」」
私達も生徒達も笑い出した。



