二人してクリームイエローのワンピースまでプレゼントしてくれて『これを着て ね』って無理矢理着替えさされた。
「乃亜ちゃん、ヒロは?」
そう言えばヒロいないよね。
「ヒロは駆一郎のとこ。やっぱり花嫁さんとこより花婿さんとこでしょう。付添 人なんだから」
だから!
そんなたいそうにしないでよ。
一介の小学校教師の付添人がカリスマロ ックシンガーなんて、いくら同級生でも 晴れがましすぎるじゃない。
「さ、出来たで」
礼音君が紅筆を置いて鏡を私に
「どうですか?」
「えっ?これ…私?」
濃いメイクじゃない、ううん、どちらかというとナチュラルなメイクなんだけど …
いつもの見慣れてる自分じゃない私がいた。
ヘアもほんの少しだけアイロンでカールをつけてふんわりと。
「わっ!薫子ちゃん綺麗」
「本当に綺麗。フフッ駆一郎惚れ直すね」
乃亜ちゃんと棗ちゃんが代わる代わる褒めてくれる。
「ありがとう。でもこれは礼音君のお陰だよ」
「違うって!薫子さん元がええから。きめも細かいし色白さんやし」
「お世辞でも嬉しい」
「ちゃうって!俺お世辞言わへん」
「うん。薫子ちゃん礼音はお世辞言わないから」
こういう時はナイスコンビなのよね。



