「ねぇねぇ、棗ちゃん」

「なに?」

「何でお土産がそれなわけ?」

乃亜ちゃんが指差す物を見て棗ちゃんが

「そりゃ乃亜ちゃん、薫子ちゃんに夏のお土産って言えばこれよ。朝からスーパ ーとコンビニ梯子して手に入れたんだよ 、薫子ちゃん」

「えっ?」

そう言われても中味知らないし。

でも「どうだ偉いだろ」と言わんばかり に胸を張ってるし。

乃亜ちゃんは『やれやれ』ってな顔をしているし。

「薫子さん、ほんまにごめんな。棗が阿呆で」

私のメークとヘアをしてくれてる礼音君 が如何にもすまなさそうに謝ってくれる 。

「ちょっと礼音、何で私が阿呆なのよ? 」

礼音君、小声で話してたのに。

さすが地獄耳の棗ちゃんだわ。