「乃亜さん」
「大丈夫よ、もう」
「はい。じゃあ支度すんだら出発です」
「出待ちしてる子達、いるの?」
「えぇ、わりと多いですね」
「じゃあ車ギリギリのとこに着けてもらうように頼んで」
「了解」
みんな着替えを済ませ楽屋口へ
ガードはされてるけどファンはまだライヴの余韻を引き摺ってるからメンバーに 迫って来る。
車に乗り込んだ時には
「はぁ~疲れた」
「ライヴよりスゲーな、あのエネルギー」
メンバーもみくちゃにされてぐったり。
「これもスターの証しだからね」
「まぁ、嬉しいけどさ」
「乃亜も気をつけた方がいいぜ」
急にシンが真面目に
「何を?」
「乃亜がヒロの恋人だってこと。インディーズ時代のファンは知ってる子等もい るけど新しくファンになった子等の中にはヒロのビジュアルに惹かれてるのもい るから」
「……」
「関係ねえよ」
ヒロがぽつりと。



