「だってあの時に薫子(カオルコ)に惚れたから」 「えっ?」 橋の真ん中で足を止め駆一郎の顔を見る。 「あの時から決めてたんだ。俺の彼女は薫子だけだって」 「……」 「でも中学になったら何だか恥ずかしくて…お前も俺を避けてたようだし」 「駆一郎」 「俺、結構落ち込んでた。嫌われてんのかなって。でもたまに目が合うとお前… 顔が赤くなってたから。自惚れじゃないけど意識されてんだって思って待とうっ て」 「……」