【打ち上げ花火 Act2】



今年もまた花火大会が来た。


約束を覚えているか、お前は。


去年、試し打ちの音に驚いて自転車から落ちて土手から滑ってきたお前。


Tシャツにジーンズとキャップという格好のお前は男の子にしか見えなくて。


でも助け起こした ほんの一瞬触れたお前の体は紛れもなく女の子で特有の甘い香りがした。


俺らしくなくドキッとして。


「お詫びに此処から花火を見せてやる」


と言うと何とも嬉しそうな顔をしていた。