「ママ一番星」
指差す夕暮れの空に星が輝いていた。
「よっ」
「パパお帰り」
改札口から主人が
「出張お疲れ様」
「珍しいな、迎えに来るなんて」
「華がパパを迎えに行こうって」
「華ありがとうな」
「うん」
華は嬉しそうにパパと手を繋ぎ三人歩き出した。
「あ、いい匂いがする」
鼻をヒクヒクさせ
「コロッケだ」
コロッケ屋さんを見つけ
「食べたい」
「うん。じゃあ今晩はコロッケにしようか」
「そうだな」
「やったぁ」
華が嬉しそうにピョンピョンしてる。
コロッケを買い、華はおまけに貰ったコロッケを食べながら…
「フフ」
「ん?」
「思い出しちゃった」
「ママ何を?」
「うん」
私が華くらいの頃の話を。



