彼が彼女に恋をするまで







「しかも、俺のこと知らないっしょ」




そう言われて、ヤバいと思った





だって本当だから





でも、切り抜けなきゃっとせっぱつまった私は





「知ってるに決まってんじゃん」





強気でそう言った






それが間違いだった





「じゃあ、俺何組か分かる?」





彼は笑いながら言った





「…………」







「分からないんでしょ」




何も答えない私にそう言って追い打ちをかけてくる