今日もたくさんのお客様が来てくれて、もう外はすっかり夜。


「雪乃ちゃん、あがっていいよ」

「あ、ありがとうございます」


あたしはスタッフルームへ入っていった。


ロッカーを開けてケータイを取り出す。


三件の着信があり、どれも亮也から。


「そうだ、大切な話!」


すっかり忘れてた。


今から急いで行けば丁度いいかもしれない。



素早く着替えを済ませ、あたしは荷物を持ってスタッフルームを出た。



「お疲れ様でしたー」

「雪乃ちゃんばいばーい」


店を飛び出し、小走りで行きながら亮也に電話をかけた。