気がつけばあたしは病室の中。 隣にはマサキが椅子に座り、ずっとあたしの手を握っている。 結局、あたしは入院することに。 先生の説明はひとつも頭に入らなかったけど、早産決定みたいな口調だったな。 「マサキ……」 「ん?」 「悔しいよ、赤ちゃん元気に産めなくて」 「……うん」 マサキに慰めてほしい。 『大丈夫だよ』って言ってほしいのに。 どうして、そんなに遠くを見つめるの? あたしは布団を深くかぶり、目を強く閉じた。