「マサキ、ごめんね」


病院を出て、第一にそう言った。


「どうしたの」

「何もかも任せてしまって」

「いや、自宅療養とか俺が勝手に決めちゃったし」


後ろ頭をかきながら、マサキはペロっと舌を出した。


「ううん。あたしひとりじゃ何も決められないから」


あたしだけだったらきっと、入院することになってただろうな。



「雪ちゃん、今日は温かいシチューでも作ろっか」

「……うん。ありがと」


差し出された手を掴み、あたしたちは手を繋いで家へ帰った。