「どうしよう……」 「えっ?」 「身体、悪かったらどうしよう」 かなり震えてるあたしの声。 彼の腕を掴む手に力が入る。 「元気に産んであげたいのに……」 耐えきれず、涙が零れた。 「雪ちゃん、あの――」 「白石さん、こちらにどうぞ」 マサキが何か言おうとした時、看護士さんがあたしたちのもとへやってきた。 「あっ、はい」 「旦那様もどうぞ」 「……はい」 あたしたちは立ち上がって、看護士さんのあとをついて行った。