「でも、ひとりでも慣れなきゃダメだよ」 右のほっぺをつままれ、あたしは喋れなくなる。 「母親は強くならなくっちゃ」 「……あい」 「まぁ明後日はついててあげるから」 そう言って微笑む彼。 やっぱり優しいな。 マサキはソファーに座り、あたしのお腹に目を落とした。 「赤ちゃん、大きくなってきたんだね」 「うん。最近胎動を感じるようになったの」 「元気な証拠じゃん」 あたしは頷いた。 元気なはずなの。 だから、早産とか難産とか信じられないな。