「雪乃ちゃん!」
帰り道、あたしは突然声をかけられて振り返った。
「おばさん!?」
そこにいたのは亮也のお母さん。
「あら、やっと彼氏できたの?」
あたしの隣にいるマサキを見て、おばさんは茶化すように言った。
「いえ、そういう関係じゃないですよ」
「え?そうなの?なぁんだぁ〜」
残念そうな表情のおばさん。
よっぽどあたしに幸せになってほしいのか。
「でも、誰かに似てるわね」
おばさんはマサキの顔をじろじろ見ながら言った。
「俺よくある顔なんで」
嘘付け、かなりのイケメンのくせに。
あたしはあえて口をはさまなかった。

