亮也がいて、好きなバイトができる日々。


これ以上の幸せなんて、きっとないだろう。



当たり前の幸せを噛みしめながら、あたしは注文を受けにテーブルの方へ向かった。


一番奥の席に座る常連の見た目が怖いおじいさんのもとへ向かった。



「こんにちは。ご注文はどうされますか?」

「カフェオレひとつ」

「かしこまりました。少々お待ちください」


見た目だけじゃなくて素っ気ない態度の人だけど、あたしはおじいさんが大好き。


この店でカフェオレはあたしが担当していて、いつもそれを頼んでくれるから。



厨房に入り、あたしは心を込めてカフェオレを淹れた。