あたしは喫茶店でバイトをしている。


将来は自分のお店を持ちたいなぁなんて思っていて、今は修行の身。



奥のスタッフルームに行って、制服に着替えた。


「雪乃ちゃんがいると本当に助かるよ」


店長はおじさんのようにそう言った。


まだ三十代半ばなのに、メガネのせいで老けて見えてしまうからちょっと残念な人。


でもあたしを頼りにしてくれるし、ゆるい感じが大好き。


「雪乃ちゃんが淹れるカフェオレが飲みたいなぁ」

「それはお仕事が終わってからですよ」

「はいはーい」


素直な店長の返事に、あたしはつい笑ってしまった。